SESとは?メリット・デメリットから分かりやすく解説

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「SESとはなに?」

「SESとSEの違いって何?一緒でしょ?」

「あれ?派遣とSESの違いって何だっけ?」

など、SESの素朴な疑問を持っていませんか?

筆者も10年以上ITエンジニアをしていましたが厳格に知ったのは最近です。

もし説明できない人は気をつけてください。SESはSEと全然違いますし、派遣とも明確に違うポイントがあります。

SESとして働くことを検討している方や、SESと一緒にお仕事をする人は理解していないと冗談なく「失敗した!」と後悔することになります。

ただ変に不安になる必要はありません。覚えることは少なく、ちょっとした違いを明確に区別して理解するだけです。

IT業界で仕事していく方には知っていて損はない情報です。ぜひ最後まで読み切り、仕事の糧としてください。

SESとは何?

 

sesとは参考:SESとは|IT業界の歩き方

SESとはシステム・エンジニアリング・サービス(System Engineering Service)の略です。

自社のIT技術力をクライアントに提供するサービスをSESと呼びます。

基本的に自社でシステムを開発するのではなく、他社の開発プロジェクトに自社のエンジニアを参加させて、技術支援をしています。

派遣と非常に近いですが、クライアントに指揮命令権がない点が大きく違います。

より詳細な違いは後述します。

SESの大手では株式会社NSDが有名です。

東証一部にも上場している大企業で、3,000人以上のSEを抱えて金融・建築・物流・通信・公共・製造業など多種多様な業界のシステム開発に対応しています。

彼らの多くは他社の開発プロジェクトに参画し、「下請け」という形で業務に当たります。

ところで一般的なシステム開発会社とSESの違いがわかりにくいと思います。

両者の見分け方はあるのでしょうか。

SES企業の見分け方

SES企業の見分け方はいくつかポイントがあります。

求人募集を見るだけでもなんとなく見分けがつきますので、参考にしてみてください。

SESの特徴1:取引先に同業者が多い

主な取引先に同業者(システム関連企業)が多い場合はSESの可能性が高いです。

なぜかというと、システム開発会社であれば一般企業のシステムを構築するのが仕事なわけですから取引先は一般企業なのが当たり前です。

しかし、SESはシステム開発会社に人材を提供するビジネスですので、取引先がシステム関連会社になることがほとんどなのです。

取引先企業の名前を見るとやたら「◯◯システム」などの企業名が多い場合はSESの可能性が高いでしょう。

ただし、単に開発案件を二次受けしている企業とも考えられます。

他の特徴と合わせて判断していきましょう。

SESの特徴2:社員数とオフィスの規模が一致しない

SESの特徴として、自社で開発をしないという点があります。

基本的に客先常駐がメインのSESでは、社員が自社にいる時間が極端に少ないのです。

そのため、多くの社員を抱えていてもオフィスは小さなビルのワンフロアだけ、というようなことがよくあります。

社員数に対して本社オフィスが小さい場合はSESの可能性があります。

SESの特徴3:勤務先が定まっていない

また、勤務先が定まっていないというのも大きな特徴です。

「東京23区以内」「大阪市内」などのように大まかな地域で指定されているのは、常駐勤務で勤務先が決まっていないからです。

入社してから勤務先が決まるので、募集要項でははっきりしたことが書かれていません。

SESの特徴4: 勤務時間が定まっていない

SESでは勤務時間が定まっていません。

客先常駐の場合、勤務時間の定時は客先のルールに従う必要があるため、勤務時間が定まっていないのです。

A社では9時~17時、B社では10時~18時というようにその会社の就業時間に従う必要があります。

ちなみに祝日も同様です。

有名なトヨタカレンダーでは祝日も出勤する代わりに年末・年始とお盆は2週間くらいお休みとなります。

SESの特徴5:月に一回の帰社日がある

SESというのはその働き方の性質上、常に客先に常駐していて自社にいることがほとんどありません。

そのため、どうしても帰属意識が薄くなってしまいがちなのです。

そこで、SESでは月に一回は自社に戻って作業をしたり、イベントが催されたりするのが一般的になっています。

SESの特徴6:事業内容に「一般労働者派遣事業」とある

事業内容に「一般労働者派遣事業」とあれば一発でSESだとわかります。

ほかには「SES事業」などストレートな表現もありますので、注意してみてみましょう。

SES企業の6つの特徴

  • 取引先に同業者が多い
  • 社員数とオフィスの規模が一致しない
  • 勤務先が定まっていない
  • 勤務時間が定まっていない
  • 月に一回の帰社日がある
  • 事業内容に「一般労働者派遣事業」とある

SESは派遣と何が違うの?

SESと派遣の違い、これは非常にわかりにくい部分でもあります。

下手すると現役のエンジニアでさえ説明できない、知らないこともあるくらいです。

SESと派遣はどちらが良い?

SESと派遣を分ける大きな違いは、「正社員」か「派遣社員」かです。

SESは正社員として雇用されて現場で働きますが、派遣はあくまで派遣社員、待遇は正社員には劣ります。

もう一つの大きな違いとしては指示系統が挙げられます。

SESはクライアントにSEを派遣しその「技術力を提供」する契約になっています。

作業に関しては雇用者、つまりSESが指揮を取ります。

これに対して、派遣は派遣企業がSEの労働力を提供する契約になっており、指揮系統はクライアントにあります。

たとえば、Aさん(SES)とBさん(派遣)がクライアントM社のプロジェクトに配属されたとしましょう。

AさんはSESなので作業指示はAさんが所属するSES企業の上司から受けることになります。

対して、Bさんは派遣なので作業指示はM社の担当責任者から受けることになります。

両者には対した違いがないように見えますが、契約形態が異なります。

しかし、現場レベルで両者の違いを意識して作業をしている人は非常に少ないというのが現実です。

クライアントはSESと派遣を区別できていないケースが多い

クライアントはSESと派遣の区別ができていないケースが多いのは事実です。

想像してみれば分かると思いますが、システム開発のプロジェクトにはさまざまな会社から技術者が集まってきます。

それぞれ、所属がありますが、その違いをいちいち意識して作業を考えるのは非常に骨が折れる作業になります。

「システム開発を成功させる」という目的のもとに集まっている技術者たちが、「この作業は契約が違う」「これはできるがこれはできない」などという問答をしていたら埒が明かなくなってしまします。

もちろん、すべてのプロジェクトが曖昧な管理をしているわけではありません。

企業によっては明確に作業指示系統を意識してプロジェクト進行をしているところもあります。

SESに務めるのであれば、しっかりとしたプロジェクト進行をしている常駐先が多い企業に入るようにしましょう。

では、SEとSESの違いはどこにあるのでしょうか。

SEとSESの違いは何?

SEとSESの違いはどこにあるのでしょうか?

実際のところ、「自分はSEだから~」「自分はSESだから~」などという話をするエンジニアは皆無といっていいでしょう。

どちらもれっきとしたSEですが、両者には契約面での違いから働き方の差ができてきます。

SEとSESどっちがいいの?

SIerのSEとSESではどちらがいいのかという質問はよく話題に上がります。

まず、SEとSESとの契約上の大きな違いがあります。

SE、いわゆるシステム開発を請け負う会社は納品物がかならず発生します。

これを請負業務といいますが、システム設計書や仕様書、システム本体などを納品することで初めて報酬が発生する契約になっています。

これに対して、SESはエンジニアの技術力を提供すること自体が目的になっていますので、エンジニアが常駐先で働くだけで時間給という形で報酬が発生するようになっています。

そこに納品物の有無は関係ありません。

経営という視点から見れば、

  • 納品物を納めないと報酬が発生しないSIerのSE
  • エンジニアを働かせるだけで報酬が発生するSES

という構図になります。

納品物を収めるためにプロジェクトを運営していると

  • 要件の見落とし
  • 利害関係者とのトラブル
  • 開発の遅延

など様々なリスクがSIerのSEには発生します。

一方でSESは勤務さえすれば時間給が支払われるためリスクが少なく安定的なビジネスとなります。

では「SESが有利か?」というとSIerのSEは技術力がなくてもさまざまな役割があるので、本人のスキルセットに合わせてアサインができます。

一方でSESの場合は技術がないとオペレーター業務くらいしか任せられる業務がありません。

30代〜60代もそのような仕事となると、少し物足りないのではないでしょうか。

もしリストラなどがあったときには一番に対象となります。

技術力がない方はSESはおすすめできません。

逆に技術力さえあれば、どの現場でも大活躍です。

評判が上がればより上流のお仕事も任せてもらえるでしょう。

やっぱりSESはやめておこうと思った方におすすめの転職先・就職先

ここまで読んでSESはやめておこうと思った方におすすめの転職先・就職先をご紹介しましょう。

技術力があり事業への興味があるならWebエンジニア

すでに技術力があり、事業やサービスへの興味があるならWebエンジニアがおすすめです。

近年では様々なスタートアップ企業が新しいサービスの開発に取り組んでおり、技術力のあるWebエンジニアを求めています。

また、Webエンジニアは新しい技術をどんどん取り込んでいく傾向が強いです。

そのため、開発の最前線で技術力を磨くのに最適な職業といえます。

それだけでなく、

「どうすればユーザーに使ってもらえるのか」

「どうすればユーザーが満足するのか」

など、マーケティング要素も強く、「事業」を成功させるというビジネス感覚も養われるのも魅力の1つでしょう。

それ以外の方は大手SIerのSEがおすすめ

Webエンジニアに興味がわかなければ、大手SIerへの転職が王道といえます。

SI業界はピラミッド構造になっている話はすでにしましたが、そのピラミッドの頂点にいるのが大手SIerとなります。

大手の魅力はなんといってもシステム開発の上流を担当できることです。

開発にも関わりますが、基本的には要件定義や基本設計などをこなします。

開発フェーズからは下請けメンバーの進捗管理といった業務をこなしていきます。

大手では開発技術力よりも管理能力を問われる傾向が強く、SEとしてもステップアップしやすい下地が揃っているのです。

大手にいけば給料水準や福利厚生もグッと改善されるでしょう。

以上、SESのネガティブなことを紹介しましたが、もちろん良いこともたくさんあります。

次ではSESのメリットを紹介していきます。

大手SIerよりも充実したキャリアを描くこともできるためしっかりとご確認ください。

SESにおすすめな人は「縁の下の力持ち」な人

SESにおすすめな人は「縁の下の力持ち」タイプの人です。

技術力、サポート力があり、コネクションを幅広く広げたい人は向いているといえるでしょう。

技術力がある方

SESで求められるのはなんといっても技術力です。

下請けという性質上、どうしても実装フェーズ前後からプロジェクトに参画することが多くなります。

そのため、開発能力が高ければ高いほど重宝されるでしょう。

サポート力がある方

プロジェクトに途中から参画するSES業務では必用な能力があります。

それは、参画した時点での状況を正確に把握し、適切な提案やサポートができる能力が求められます。

いわゆる気が利くタイプです。

こういったサポート力が高い人はどの現場に行っても問題なくプロジェクトに馴染み、業務を進めていくことができます。

ITエンジニアとして働きつつ社外のコネクションを広げたい方

SESはITエンジニアとして数多くの企業やプロジェクトに関わることが出来ます。

そのため、社外のコネクションを広げたい方にはぴったりでしょう。

今後、エンジニアとしての展望がある人、別の業界に興味がある人は繋がりを広げることが将来自分を助ける財産となります。

SESのモチベーションは「クライアント」が鍵

SESとして働き続けられるモチベーションの鍵は「クライアント」です。

SESは派遣されるクライアントや案件によって、どの程度プロジェクトで重要な役割を任せてもらえるかが異なります。

どうしても二次請け、三次請けと下に行くと単純作業になってしまうのです。

任される仕事がテスト業務ばかりではやる気も起きませんし、やりがいもありません。

「自分はクライアントに貢献できている」と実感できればやる気も出てきますよね?

同じSESでも上流に関わることが大切ということになります。

SESの将来性は安泰で仕事に困る気配はない!

SESの将来性についていえば、IT業界が安定しているため仕事に困ることはないでしょう。

なぜなら、ITエンジニアというのは慢性的に不足しています。

求人倍率は8倍にもなっており、この人材不足は解消する見込みがないといわれています。

そのため、システム開発で必要なタイミングで適切な人材を提供できるSESは求められ続けるでしょう。

では、SESに転職するにはどうすればよいのでしょうか。

SESの就職・転職の方法

SESに転職するにしても、いわゆるブラック企業に入ってしまうのはなんとしてでも避けたいでしょう。

そこで重要なのが情報になります。

どのSES企業なら優良なのかということを知っておくことが重要なのです。

基本的にSESとIT派遣を区別して採用をしていることは少ないです。

そのため、どういう採用方式なのか、情報を持つ転職エージェントに選定して紹介してもらうことがおすすめとなります。

なるべく上流工程を担当できるSESはやはり大手です。

そういった大手を紹介してもらいながら、二次請け、三次請けばかりしている企業ははじめから除外してもらいましょう。

こうすれば、無駄な選択肢のなかから悩む必要も、ブラック企業なのか心配しながら選ぶ必要もありません。

おすすめとなる転職エージェントは以下のとおりです。

1位:マイナビIT AGENT

マイナビIT AGENTもIT業界に特化した転職エージェントです。

運営しているのは転職サイト大手のマイナビということもあり、案件数が非常に多いのが特徴です。

また、非公開案件が全体の80%を占め、マイナビIT AGENTに登録しないと出会えない企業がたくさんあるのも魅力でしょう。

>マイナビIT AGENTはこちら

2位:レバテックキャリア

レバテックキャリアはIT業界を専門に扱う転職エージェントです。

IT業界の転職は専門用語や知識がないとわからないことが多く、転職エージェントにお任せして転職してみたら自分の求めていた企業とは違っていた、などということも少なくありません。

レバテックキャリアでは、IT業界のエキスパートがコンサルタントとして入り、転職希望者のニーズにマッチした企業を提案してくれます。

また、年間3,000回を超える企業訪問を繰り返すことで、現場レベルでどのような人材が求められているのかを正確に把握しているため、転職成功者の満足度が非常に高いというのも大きな特徴です。

>レバテックキャリアはこちら

3位:TechClipsエージェント

IT特化型転職エージェントの中でも高収入&高待遇案件をメインで扱っているのがTechClipsエージェントです。

首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)限定での案件紹介になってしまいますが、全体の82%が年収500万超えということからもキャリアアップを目指す人にはぜひおすすめのエージェントといえるでしょう。

>TechClipsエージェントはこちら

まとめ

世の中では「SESは悪」というような風潮がありますが、SES自体は業界の構造をうまくカバーできる素晴らしいサービスです。

問題は運用している企業にあるのであり、それらの多くがブラック企業のように偽装請負で社員を使い捨てのコマのように扱う企業です。

SESに就職を希望するのであれば、うまく転職エージェントを利用してちゃんとしたSES企業に就職するようにしましょう。