面接で長所はどう伝える?ポイントは短所・自己PRとの一貫性

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自分には誇れる長所がないと心配していませんか?面接官の筆者には下記のような質問をよくいただきます。

「面接で長所は何を伝えればいいの?」
「たいしたことない長所だけどどう伝えればいいの?」

私は10年ほど人事として採用に携わっており、その経験からお伝えすると必ずしも立派な長所を伝える必要はありません。

なぜなら面接官の質問意図の大半は、職業適正の有無や人間性を多角的な質問から把握したいためだからです。

つまり面接で独自性のある優れた長所を伝えるよりも自分なりに考えた言葉で話すことや一貫性のある受け答えが重要です。

そのため注意点としては長所を伝えるときは短所についても自分自身で把握していないと、面接官に対して矛盾した自己PRなどを伝えてしまうことになり、面接に落ちやすくなります。

この記事では面接において評価されやすい長所の答え方を説明していきます。

面接対策をしてスムーズに内定を取りたい人はぜひ一読してください。

面接における長所・短所の狙いは職業適性を知ること

面接で長所・短所を聞くのは性格を把握するためです。

会社ごとに求めている人物像は異なりますが、性格を把握することで配属先の適性を見極めることが多いです。

そのため、性格を把握して、入社後の仕事に適性があるかどうかを見極めていると考えるようにしましょう。

逆に言えば、「どんな適正があれば高評価となるか」を理解した上で長所・短所を答えると効果的な返答になります。

コラム:大学受験・高校受験では性格を把握するのが目的

就活・転職においては長所と短所は職業適性の把握のために質問されます。

職業適性の把握をすることで、入社後の配属先などをスムーズに決めることができますし、自社にマッチしているかどうかまで判断できます。

また、大学受験と高校受験では、生徒個人の性格を把握することが目的といえます。

大学や高校で集団生活をしっかりと卒業まで耐えることができるかどうかを把握しようとしています。

次は、長所をしっかりと面接官に伝える方法について解説します。

長所は「強み」や「自己PR」に関連した点を主張しよう

長所は自分自身の強みや自己PRに関連した点を主張する必要があります。

自分自身の強みと自己PRに関連した長所でなければ、面接中に面接官に違和感を与えてしまいます。

他にもNGとなるような長所について紹介していきましょう。

NGとなる長所の特徴

NGとなる長所の特徴として、企業の求めている人材像とズレがある場合や、仕事に関係ない内容の長所がNGとなります。

企業に合わせる意識と、仕事に活かせる長所を伝えることが重要です。

そのためNGとなる長所は下記となります。

  • 企業が求める人材像とミスマッチを引き起こしている
  • あいまいで主観的な長所
  • 仕事に関係のない趣味の領域での長所

それぞれについて解説します。

企業が求める人材とミスマッチ

企業が求めている人材像が仮に、元気溌剌(げんきはつらつ)としていて、失敗を恐れない人物だとします。

そこに、自分自身の長所は、冷静で慎重なところですとアピールしてしまうと全く求めている人材像ではないということになります。

しっかりと企業が求めている人材像に合わせた長所を答えるようにしましょう。

あいまいで主観的な長所

あいまいで主観的な長所を伝えるのは非常に危険です。

客観的な長所を伝える方法としては、「友人からは竹を割ったような性格と言われます」という風に、第三者から貰った感想を伝える方法があります。

客観的な自分自身の評価を伝えられるようにしてみて下さい。

仕事に関係のない趣味の領域の長所

仕事に関係のない趣味の領域での長所を伝えるのは避けるようにしましょう。

絶対に避けるべき趣味としてギャンブルの話などは避けるほうが良いといえます。

経理関係の部署に配属されたいと考えている場合、ギャンブルなどの趣味の話はご法度です。

次は、短所の伝え方について解説します。

こちらもコツがあります。

短所は長所の裏返しで答えよう。短所に向き合っていることも大事

短所については、深く考えずに長所の裏返しを伝えるようにしましょう。

たとえば「深く考えない性格」は決断力があるという長所になりますが、短所は慎重に判断できないということになります。

冷静な仕事をすることが大切な会社では、不向きであるといえますね。

短所に対して工夫・改善した点も用意していこう

短所に関しては、工夫や改善した点も用意すると評価が高くなります。

例えば、深く考えずに即断即決するため、短所が慎重に判断できない性格だとします。

即断即決をする中でも、これだけは絶対にまずいと思うことは踏みとどまれるように、時と場合によっては機転を聞かせられるように改善をしているという風に伝えると、短所をカバーする方法をわかっていると判断されて面接では評価がアップします。

面接における長所・短所の回答例3つ

長所と短所をうまく伝えられる解答例を紹介します。

「長所の伝え方は分かったけれど、どうすれば書けるのかイメージがつかめない」と悩んでいる方はぜひチェエクしてください。

事例1:長所が決断力の方

私の長所は決断力です。

大学の部活動の顧問にもこの決断力は褒められています。

大学ではボクシングを部活動で行っていましたが、何をするにも決断が早く、試合でも良い結果を残せています。

例えリスクを感じる場面でも、気にせずにドンドン決断して行動していくことができます。

短所は、深く考えずに物事を決めて進めるために、ミスをしてしまうことです。

短所については自覚しており、本当に重要な事柄については慎重に考えるようにしています。

事例2:長所が誠意の方

私の長所は誠意があるところです。

友人からも誠実な人であると良く言われます。

接客のアルバイトなどでも、例え相手が理不尽なことを言ってきたとしても、出来る限りのことはしたいと考えて相手の立場に立って物事を考えることができます。

短所は集中力が短いことです。

誠意を尽くして話を聞くことはできるのですが、あまり興味のない話題だと、集中して聞くことができません。

そのため最近ではどんな事柄にも興味を持って聞くように心がけています。

事例3:長所が「切り替えが早い」の方

私の長所は気持ちの切り替えが早いことです。

友人からも立ち直りが早くタフであると言われます。

仮に失敗をしたとしても動じずに、すぐに新しいことに取り掛かることができます。

アルバイト時の接客でお客様に怒られても、次の日には笑顔で出勤していました。

短所は、振り返りをあまりしないことです。

切り替えて、すぐに次の新しいことに興味を持ってしまう性格なので、失敗の原因などを振り返ることがあまりありません。

飲食店のアルバイトでは、同じミスを繰り返してしまったこともありました。

そのため短所については、同じミスをしないよう毎日自分の行動について振り返りをするように工夫をしています。

次は、面接官が実際にチェックしているポイントについて解説します。

面接官がチェックしているポイントが理解できれば、伝え方が洗練されて面接に通りやすくなります。

面接官がチェックしているポイント

「面接官が実際にチェックしているポイントはどんなポイントなのだろうか」と気になる学生は多いです。

面接官がチェックしているのは、人柄と改善例です。

具体的には長所と短所で下記のポイントをみています。

  • 長所のチェックポイント:人柄・具体性・客観性
  • 短所のチェックポイント:自己認識と工夫・改善の事例と結果

それぞれについて解説します。

長所のチェックポイントは人柄・具体性・客観性

長所のチェックポイントは人柄・具体性・客観性です。

長所短所には性格が出ますし、具体性はエピソードと共に伝えることで面接官が理解しやすくなります。

また、客観性は友人などの評価などから判断することもあります。

短所のチェックポイントは自己認識と工夫・改善の事例・結果

短所のチェックポイントは、短所の自己認識を正しく行え、工夫・改善を実例や成果で伝えられるか、という点を評価しています。

例えば、集中力がないという短所であれば、どんな事実があり、どのようにして改善したのかなどエピソードを添えることでリアリティを帯びます。

成果も伝えられるとなお良いですね。

次は、ありがちな長所を面接で話す際の注意点について解説します。

真面目・責任感・協調性などを長所にするときの注意点

「よく真面目さや責任感、協調性について話せばよいと聞くけれど、実際のところはどうなの」と非常に悩んでいる学生は多いです。

ずばり、真面目・責任感・協調性のエピソードは曖昧かつ、実際に大したことではなく、サラリーマンならば当たり前のことなので、取り柄がない人が使うことが多いです。

企業文化と合わないことも多いため、伝えるために工夫することが必要となってきます。

「真面目」の長所で印象に残った事例

私の長所は真面目なことです。

友人からも非常に真面目であると言われています。

中学、高校、大学と皆勤賞で授業で休んだことはありません。

短所は、融通が利かないことです。

どうしても決められた通りにしないところがあります。

短所については、社会人になれば柔軟に様々な場面に対応できるように、視野を広く持つように心がけています。

「責任感」の長所で印象に残った事例

私の長所は責任感があることです。

友人からも非常に責任感があると言われています。

頼まれごとをしたら最後までやり遂げることができます。

短所は、責任感が強いため、手を抜けないところです。

そんなところにこだわらなくても良いだろうというところで、こだわってしまいます。

短所については、視野を広く持ち、力を入れる場面と入れない場面を使い分けることができるようにしています。

「集中力」の長所で印象に残った事例

私の長所は集中力があるところです。

友人からも作業に没頭すると、ずっと続けていてすごいと言われます。

大学のサークルではギターを担当していましたが、うまくなるために1日5時間以上部室でもくもくとギターを弾いていました。

短所は周囲を見ないことです。

一度何かにとりかかると、それ以外のことができません。

昨今では企業ではマルチタスクが重要であると説明会でもお聞きしていますので、出来るだけ複数のことが同時に出来るように、ギターの練習をしながら、歌唱パートの練習をするなどへ移行作業の練習をしています。

「負けず嫌い」の長所で印象に残った事例

私の長所は負けず嫌いなところです。

部活動の顧問からも負けず嫌いでガッツがあると言われています。

大学では柔道部に所属しており、黒帯で3段を取得しています。

短所はライバルに負けたくない気持ちが強すぎるところです。

周囲に少しでも負けているとそれだけでイライラしてしまいます。

しかし、昨今では、他の人の優れているところを認め、お互いに高めあうことでイライラしなくても済むのだということが理解でき、改善できています。

「優しい」の長所で印象に残った事例

私の長所は優しいところです。

優しさを具体的に表現すると、先回りをして問題解決をすることができることです。

電車では必ずお年寄りに席を譲りますし、アルバイト先などでも後のシフトに入る人が困らないように毎日、引継ぎのメモを残すなどしています。

短所としては、優柔不断で決断がなかなかできないところです。

どうしても他人を優先してしまうため、自分自身の考え方であまり動けません。

しかし、最近では自分なりの意見をアルバイト先で伝えるなどして、改善の努力をしています。

「明るい」の長所で印象に残った事例

私の長所は明るいところです。

どんな場面でも、暗くなりません。

部活動で野球部に所属していましたが、顧問にも明るさが取り柄だと言われました。

試合がどんなに劣勢でも必ず最後は巻き返せると考え、諦めずに頑張れます。

短所としては、鈍感なところです。

空気を読むことが苦手で、ひたすら自分の考え方で突っ走ってしまいます。

しかし、最近では周囲の雰囲気などを読み、明るくすべき場面では明るくし、そうでない場面では表に出すぎないようにしています。

まとめ

面接において長所と短所を確認するのは人柄を確認するためです。

実は面接においては長所と短所の伝え方は非常に難しいため、しっかり対策をしていかないとうまく答えられません。

長所の裏返しに短所が来るようにしっかりと練りこみ、改善するために行っていることなどをしっかりと伝えるようにしましょう。